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50歳の現役研究者である山中教授がiPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した。山中教授は学部が旧帝大でなく神戸大で、ガリ勉かと思えばラグビーに熱心で、臨床医としては「邪魔ナカ」と呼ばれる手術の下手さに挫折して、基礎系の研究者としても資金も体制も貧弱でラットの世話まで自ら行う日本の現実に挫折感を味わったエピソードが報じられている。
では、常に成績トップで東大に進学し、東大の中でもトップを走る人が、必ずしもノーベル賞を量産しないのは何故か? 唐突だが、学力はPCみたいなものだと思うからだ。 すなわち、頭の回転(CPU)が良くて、記憶力(メモリ容量)に長け、多くのノウハウ(アプリケーションと使用法の知識)があれば、答えのある問題(過去)と応用問題には瞬速で対応できても、新たなテーマや答えの無い問題には対応できず、エラーメッセージを表示して、しかも上から目線で「そういう問題は存在しない」と居直る。周りにそういう人がいたら、いわゆる成績の良い子タイプではないか? そういう人間を受験の競争原理で量産するのが日本の教育である。 受験競争の優劣は偏差値で定量化されているが、その頂点が東大(法学部と医学部)で、その頂点にいる人が官僚をはじめ政官財各界のキーマンになり、55年体制以来の官僚的な社会体制を定着させて来たのだから、その前提となる「追いつけ・追い越せ」の右肩上がりの局面が終わりを迎える頃から、その仕組みが「癌化」した。何しろ将来の問題を予見して対処する能力が乏しく、現実になるまで向き合えずに「そういう問題は存在しない」と居直り、社会を導く立場にいながら自身の人生設計という極めて私利私欲に満ちた動機で既存スキームの維持に固執するのだから。その成れの果てが今の状況なのだろう。 しかも山中先生の研究の意義と戦略性は外部の権威に評価されるまで判断できないクセに、評価されて担保がつくと途端に破格の助成金をつけるドン臭さ。官界も官僚的な財界も、既存のスキームでは何でも一律である。担保のない事にメリハリをつける思考能力と判断能力が許されない社会システムで、それを愚直に守ることが「必須」であり「優秀」なのだ。ウィルスを含むプログラムでも愚直に実行するPCと似たようなものだ。 かくも体制的な東大に対して、京大はOB群像をいちいち例示するまでもなく、伝統的に哲学的で反骨精神と人間臭さがある。だから発想力を育む。山中先生の研究の価値を目利きして最大限の対応で招き入れるのが京大だが、東大には、それが出来ない。偏差値だけは凄いが、人間的な「勘」が凡庸で体制的な研究者が山ほどいる東大が、神戸大卒の実績が乏しい研究者を特別扱いすることは許されないわけだ。 というわけで、京大のノーベル賞受賞者が体制的な東大よりも多いのは当然だ。 個人的には、それでいいじゃないかと思うし、東大にノーベル賞を競わせるのはナンセンスだ。旧帝大にも色々なカラーがあって、あるいは役割を分担するから全体として多様性と突破力が育まれる。何しろ、前提が「右肩上がり」の単純な時代じゃないのだ。既存の公式では解けない問題ばかりの時代だ。 ただし、55年体制の時代に卒業した東大クン達は、もはや社会の癌細胞なので、出来ることならアポトーシスを希望する。せめて抗がん剤を自己注射して、これ以上の増殖が無きように静かにしてもらいたいものだ。
by negative_opinion
| 2012-10-11 07:22
| 日本人の性根
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