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”こんな日本に誰がした? シューカツ生は「クローン人間」か”というタイトルに釣られて記事を読んでしまった。
言いたい事から書けば、「悪者探し」は不毛だ。タイトルに書いた通り、「リスク回避」の志向に原因がある。その本質は「恐怖心」であり、恐怖心を抱かせたのは求人側を含めた社会全体の構造的問題である。 何しろ、今どき「挑戦すること」よりも「失敗しないこと」が最重要である。メディアは何かと「勝ち組・負け組」に仕分けて「勝ち負け」を煽るが、多くの平凡な日本人は「勝ちたい」のではない。ただひたすら「安心・安全」を望んでいて、「(負けて)失うことへの恐怖心」が行動の動機になっている。 就職事情で言えば、とにかく「堕ちたら、どこまで堕ちるか・・・底なしの奈落の底。復活はノーチャンス。」である。それが就職の現実として認知されているわけで、新卒の就職事情や若者気質を変えるには、この恐怖心を払拭することが本質だろう。 その点、就活学生の没個性を嘆く企業やメディアは勝手に過ぎる。企業だって「失敗」して「失うこと」への恐怖心から、「実績」のある者や企画に偏り、結果的に没個性で横並びな商品やサービスばかりになっているのではないか?TV番組やアニメだって、そうではないのか?挑戦的で完全にオリジナルな企画の作品が、果たしてどれだけあるのだろうか?しかも、そういう革新的な商品やサービス、作品の中に、世界を変えるほど影響を与えて、国内や世界の経済を変えるほどの成功を収めた者がいるのだろうか?せいぜい、スティーブが遺した製品コンセプトを後追いし、便乗して、あるいは評論しているだけじゃないのか? 社会や企業がいくら総論として「個性」や「挑戦」を掲げようとも、各論で企業にいる者が保身を動機に物事を判断している以上、個性も挑戦も虚しい絵空事である。企業側が没個性な学生に嫌気が差して、本気で学生の個性を見極めたければ、面接案内に「リクルート用スーツの着用や整髪・メイクを禁止し、通学時と同じ身なりで来社すること」と明記すれば良い。私なら「あなたが当社に通勤する場合に希望する身なりで来社すること」というテーマを与える。企業の研究や理解度をはじめ、本人の価値観や個性が少しは見えて来る気がする。その程度の対応さえリスクを恐れて出来ない企業が学生に多くを求めるのは矛盾している。 大卒の就職を希望する新卒者は約37万人と推定されており、内定者数が約34万人弱とのこと。多くの平凡な就活生は、約9%の就職浪人になりたくない一心だと思う。 「窮鼠猫を噛む」じゃないが、いっそのこと9割が就職できない状況になれば、居直って挑戦的に立ち振る舞う者が現れるかも知れないが、1割弱が就職できない状況というのは微妙である。「敢えて挑戦しなくても、無難にミスさえしなければ、9割の側として、どこかに就職できる」と考えてしまうのが堅実な日本人の発想になるのではないか? 何しろ大多数の学力平凡な日本人は、中学生の頃から進学指導で堅実に合格する学校を受験するようにすり込まれていて、どれほど無謀でも難関校に高い目標を定める、という挑戦的な発想の芽を摘み取られて育っている。とにかく「無難に」生きる事をすり込まれているのだから、リスク回避志向が身なりの横並びにつながるのは当然の帰結だ。だからと言って中学や高校の進路指導者を責めても不毛である。公務員系の「でも・しか教諭」こそ、「リスク回避」を最大の動機とする立場であり、そういう教育を当然と受け止める親の多くも子供に「リスク回避」で「安心・安全の無難な人生」を期待しているのだ。これは社会全体の構造的な問題で、政治家や有識者をはじめ、文部科学省や教育委員会、PTAや日教組が何をしようとも無理である。 何故ならば、「リスク回避」こそ「日本人の心」であり、「安心・安全」を求める平凡な大多数の日本人にとって動機の本質だからである。バブル崩壊後の「右肩下がり」の時代を迎えてから、皮肉なことに「リスク回避」で「安心・安全」を追求する志向が「閉塞感の連鎖」という無限ループと「縮み志向」の悪循環を生んでいるわけだ。 じゃあ・・・、取り敢えず現に就活中の学生は、どうすれば良いのか? 当事者たる就活学生が自ら突き抜けるしかない。ビジネスの世界で言われている事が、そっくり当てはまる。すなわち「常識を疑え」というのが第一歩だろう。 大学の就職指導や就職情報サイトで教わる「マナー」が没個性につながっているのは明らか。かといって、奇抜な格好で自己主張して目立つばかりが個性じゃない。 ビジネスは「売り手よし ・ 買い手よし ・ 世間よし」の「三方良し」である。そういう身なりで面接に行けば良いではないか?「キミは、どうしてその格好で面接に来たの?」と質問されたら、しめたものだ。私なら、次のように応える。 「リクルート・スーツでは就職活動が終わるまで、せいぜい新人研修の間までしか着れないと考えて、入社してからも着られる服を選びました。」 あとは空気を読んで、本当にそういう気持ちがあるなら、「この服で貴社に通勤し、○○部門で活躍したい、という願いを込めました。」と付け足すかどうか・・・である。本気で思ってなければ、これほど「鼻持ちならぬ嫌味な言い方」は無いので、心底そう思っていることがポイントである。 大事なのは、身なり自体の問題でなく、「自身の創意工夫で決めたこと」が伝わるかどうかである。本人の趣味の範囲内(売り手よし)、会社にとって好感が持てて(買い手よし)、その会社の社員として恥ずかしくない格好(世間よし)を、自身の知恵と価値観でバランスを取って決めれば良い。 会社側(面接者)が、どう見るか読み切れないと不安に考えて思考停止に陥る者はいるだろうが、私なら、その会社の出退勤時間帯に出入りする社員の様子を観たり、面接の前に見学の機会があれば狙いの部門のフロアを見渡して、傾向を見極める。ビジネスと思えば売り込み先の事前リサーチは当然である。 そういう手順やバランスの優先度といった判断すら自身の頭で決められない人は、万がいち就職できても、就職してから辛いだろう。 こんな日本に誰がした? シューカツ生は「クローン人間」か 2011年12月1日 14時21分 (2011年12月1日 14時27分 更新) 駅に貼られたあるポスターの写真がネット上に投稿され、そこに並んだ就活生の画一的な姿に酷評が集まっている。このポスターは、日本最大級の就活情報サイト「マイナビ」のもの。新聞広告のほか、渋谷、恵比寿、青山一丁目、目白、高田馬場など都内の地下鉄の駅などに貼られている。 黒っぽいスーツに白いワイシャツやブラウスを着て、髪をきれいに整えた無表情の男女が、右手であごをつかんだポーズを取っている。添えられているのは「考えるすべての就活生に。」というコピーだ。 「そんな人生がお望みですか?」の呼びかけも 例年より2か月遅れで「解禁」される就活サイトをPRするポスターのようだ。被写体の若者たちは、いちおう「考える就活生」のポーズを取らされているのだが、あまりに同じような姿なので、逆に何も考えずに従っているだけのようにも見える。 これを見たネットユーザーからは、「気持ち悪い」「なんかの宗教みたい。背筋がゾゾゾってする」「こんな日本に誰がした?」といった批判があがっている。ある30代の男性社会人は「他人と違う行動を取れない就活生をバカにした趣味の悪いパロディだ」と憤っている。 クローン人間のように同じ服装をする就活生を、企業側から疑問視する声も上がっている。ライフネット生命の岩瀬大輔副社長(35歳)は12月1日未明、ツイッターで「就活生はもうリクルートスーツを脱ごうぜ」と呼びかけている。 「今だったらフロントランナーになれるよ。皆がやりはじめてからの後追いはカッコ悪いし。そういう服装を望む採用担当者はつまり、皆さんに没個性的な存在であることを求めているわけです。そんな人生がお望みですか?」 この投稿は180人以上にリツイートされた。ある大手テレビ局の部長は「僕は面接のとき、一度もスーツは着ませんでした。それでも入れてくれたいまの会社はなかなかのもんだと思いました」とコメントしている。 このような没個性的な服装をする「常識」は、日本企業の昔からの慣わしかと思いきや、実は意外と最近のことらしい。2010年9月16日付け日本経済新聞の記事「経済今昔物語」には、日本航空の入社式の様子が掲載されている。1986年時点の女性の服装は、紺スーツで決めている人もいるが、ブレザーにチェックのスカート、ワンピースなどの人もおり、まさに人それぞれだ。「優等生タイプ」の要求は誰によるものか それが2010年になると、紺のスーツに同じ長さのスカート、白いストッキングに黒いパンプスと、まるで制服のような格好をし、髪型まで似通っている。 記事では日航の採用担当者が、いまどきの新入社員に対し「能力は高いが、個性がなくなっている面もある」と嘆いている。 しかしその一方で、同じ記事で明治大学の就職キャリア支援部の担当者が、「最近は優等生タイプばかりに企業の目が向き、内定が集中する傾向がある」と反論のようなコメントを寄せている。 就職情報サイトも「優等生タイプ」の支援に余念がない。あるサイトの「恥をかかないための就活マナー」には、就活生が守るべき服装の決まりとして、 「(スーツは)黒・紺・グレーのような落ち着いた色のものが一般的」 「スカート丈は座った時、ひざにかかるくらい」 「(男性の)揉み上げが耳にかかるのも避ける」 「(女性は)厚化粧でもノーメイクでもなく健康的で自然なメイク」 といった注意書きが、公立中学校の校則なみの事細かで書かれている。 果たして、学生にこのような「仕様」を求めたのは誰なのか。企業なのか就職情報サイトなのか、それとも就職氷河期の空気を読んだ就活生自身なのか。
by negative_opinion
| 2011-12-01 19:37
| 日本人の性根
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